月に一度、キーワードを元に最新の産業用ドローンのトレンドを追いかけていく本企画。第23回のテーマは「最新ドローンプレイヤー」です。多くの企業が産業用ドローンの世界に参入してきていますが、その中でも特に注目の企業を3社紹介していきたいと思います。
DFA(Drone Future Aviation)
楽天やリクルートで投資事業をおこなっていた波多野昌昭氏が2017年に立ち上げたスタートアップ企業。ノルウェーの超大型ドローンを開発するGRIFF Aviation社と提携し、同社のアジア地域における独占取扱権を取得しており、機体の開発や販売をおこなってきました。
GRIFF Aviationは非常に大きなドローンの開発を得意としており、DFA社ではGRIFF社の機体を使ってドローンにおける物流事業を展開していきたい考えのようです。中でも注目を集めているのが可搬重量30kgを誇る物流ドローン「GRIFF135」です。DFA社が発売を開始したこのドローンは、世界でも最大級の大きさを誇り、主な用途としては建築や土木施工の現場や、災害現場での物資の輸送や必要な資材をドローンで輸送することにあります。
機体が大きいため外乱にも強く、豊富なペイロードを活かし、さまざまなシーンでの輸送業務に大きく貢献しそうです。
DFA社はドローンファンドから1億円の資金調達も終えており、GRIFFとの強い絆で、さらなる発展をしていくことでしょう。
楽天
日本有数のECモールである「楽天市場」や「楽天トラベル」「楽天カード」「楽天イーグルス」などを手掛ける楽天にドローンの事業があることを知っている人も多くはないことでしょう。楽天自身は、ACSL(株式会社自律制御システム研究所)に投資することでドローン事業に参入したのですが、その後、ACSLと組んで機体を開発。「楽天ドローン」としてドローンを使った物資の輸送に関して実証実験を繰り返しているところです。
楽天のようなECモール運営者の場合、購入された物品をいかに早く、そして正確に購入者の手元に届けるかが重要になってきます。そんな時に注目したのがドローンです。
山間部や離島など物資の輸送が難しい地域こそ、実はインターネットによる購買が必要な地域。楽天はそういったエリアへいち早く届ける方法としてドローンに期待を寄せました。
実証実験では専用のアプリで注文したコンビニの商品をドローンで届けたり、ゴルフ場でプレー中に注文すると商品がコース上に届く、といったことに既に成功しています。
また、UTMの世界にも参入しており、日米合弁で楽天Airmap社を設立。専用のアプリで操縦管理者と空域管理者とのコミュニケーションを図れるようになっており、機体同士の衝突や特定の空域における管理ができるようになっています。
双葉電子工業
東証一部上場企業である双葉電子工業は、メイン事業である電子部品だけでなく、ラジコン関連の製品についても世界で大きなシェアを誇っています。ラジコン飛行機やラジコンヘリを操縦する送信機(プロポ)は、世界でもトップクラスの性能とブランド力を誇り、ワークスフライヤーから多くの世界チャンピオンを輩出しています。
そんな双葉電子工業は、産業用ドローンの領域についても進出しています。産業用ドローン向けのプロポやサーボは用途に応じた豊富なラインナップが用意されており、長年蓄積してきたノウハウがそこに凝縮されています。
特にサーボについては、ホビー用途のものとは比べ物にならないほど高性能、高耐久性のものとなっており、スピードタイプのものからトルクタイプのものまで揃っているだけでなく、防水性能や防塵性能も強化されており、過酷なシーンで使用されることも想定した造りとなっているのが特徴です。
同社の無線技術やサーボに関するテクノロジーは世界的に評価されている一方で、今後は5G回線を使用したドローンのコントロールが実験される中、どういった次の一手を繰り出してくるのか注目が集まります。
まとめ
今回は、産業用ドローンの領域において、素晴らしい製品やサービスを提供しているドローン関連の企業を紹介してきました。今後もこういった企業をフォーカスしていき、日本のドローンプレイヤーを数多くお伝えしていきたいと思います。
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