2019年もドローンの話題を独占してきた感のあるDJI。この1年でそのラインナップはさらに強化され、各領域に特化した機体を多くリリースしてきました。そこで今回はそんなDJIの最新ドローンラインナップについて紹介していきたいと思います。
Mavic Mini
2019年、最も衝撃的だったのは、DJIドローンラインナップの中でも最も小型のドローンとなった「Mavic Mini」だったかもしれません。日本の航空法に合わせ、全備重量が199gの日本仕様がリリースされたこともでも話題をさらったこの機体は、手のひらサイズのマイクロドローンながら、3軸ジンバルを装備し、2.7K対応の高性能カメラを備えた本格的な空撮ドローンとなっています。
また、小型ながらその飛行性能と安定性は見事なもので、GPSと下向きのビジョンセンサーにより正確なホバリングを実現。小型機らしからぬ優れた安定性もセールスポイントのひとつです。さらに飛行時間は最大で18分を確保。重量を200g未満にするため、バッテリーの容量を削ったとはいえ、これだけの飛行時間が確保されているのは嬉しいところです。
他の「Mavic」シリーズ同様、アームを折りたたむことでコンパクトにできるこの機体は、その携帯性と高性能な空撮性能であっという間に人気の機体となり、予約が殺到。2019年最大のヒット作となりました。
P4 Multispectral
DJIは産業用ドローンでの存在感をますます高めています。2019年にリリースした「P4 Multispectral」は、農業領域における画期的なドローンとしてこちらも大きな注目を集めています。
この機体の特徴は、圃場の作物の状態を上空から把握することができることです。機体に標準搭載されたカメラはRGBカメラ1台とブルー、グリーン、レッド、レッドエッジ、近赤外線の帯域の5台のマルチスペクトルカメラを搭載したカメラユニットとなっており、作物の内面まで見通すことができるようになっています。このユニットは3軸ジンバルに搭載されており、非常に安定した状態で撮影をおこなうことが可能です。
さらに、機体の上部にスペクトル日照センサーを搭載。太陽放射照度を捉えることで、1日の異なる時間帯でのデータ収集の精度を大きく向上させています。また、RGB映像とNDVI映像をシームレスに切り替えながら見ることができるのも大きな特徴となっています。
Mavic 2 Enterprise Dual
2018年末に登場した「Mavic 2 Enterprise Dual」も、実質的にその活躍をみることができるようになったのは2019年でした。優れた機体性能を持つ「Mavic2」をベースに、産業用ドローンとしてさまざまな改良を加えた「Mavic 2 Enterprise Dual」は、あらゆるシーンでその可能性を感じさせてくれるものとなっています。
「Mavic 2 Enterprise Dual」は、FLIR社製の放射サーマルセンサー搭載で、あらゆるシーンにおいて温度を計測することができます。また、デュアルカメラを搭載していることで可視画像と熱画像をリアルタイムで統合しており、シームレスに切り替えて見ることが可能です。さらに、「スポットメーター」機能でピンポイントで温度を観察し、測定したり、「エリア測定」機能で特定のエリアの温度測定を監視することもできます。
他にも、撮影データ画像の視認性を高める目的で、あらゆる撮影シーンにおいて、等温線が正確な熱計測をサポートしてくれます。これに、カスタマイズ機能を組み合わせることで、定義済みの等温線設定を作業のニーズに合わせて設定することも可能です。
まとめ
2019年に登場したDJIの最新ドローンいかがでしたでしょうか?民生用、産業用問わず、あらゆる領域のドローンを全方位で出し続けるDJI。その勢いは2020年も止まることはないでしょう。今から次の機体が待ち遠しくなりますね。
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