世界のドローンマーケットを座巻するDJI。
その中でも最新作にして、過去の機体の注目度を大きく上回るのが、2018年に発売された「Mavic2」シリーズです。
リリース時に2機、その後も産業用として2機の新作が発表されている「Mavic2」シリーズ。
今回はそんな人気シリーズをじっくり紹介していきたいと思います。
Contents
「Mavic2」のラインナップについて
DJIの最新機「Mavic2」ですが、現在4タイプの機体がリリースされています。
まず、老舗カメラメーカーであるハッセルブラッド社が開発した高性能カメラを搭載した「Mavic2 Pro」。
次に光学ズームカメラを搭載し、遠くの被写体も機体を近づけずに撮影することができる「Mavic2 Zoom」。
さらに、「Mavic2」を産業用にした「Mavic2 Enterprise」。
そしてサーモカメラと可視カメラをひとつのユニットにして搭載している「Mavic2 Enterprise Dual」です。
toC向けに2機種、toB向けに2機種の合計4機種がリリースされていますが、toB、toC双方のラインナップを拡充できるのは、ひとえに「Mavic2」そのものの基本スペックの高さを証明するものではないでしょうか。
ベースとなる機体の作りがしっかりしているため、さまざまな領域に対応できる機体に仕上げることができるのです。
「Mavic2 Pro」の特徴
「Mavic2 Pro」は前述したようにハッセルブラッド社製の20MP1インチCMOSセンサーを搭載し、超高画質の映像を撮影することができます。
大きくなった1インチCMOSセンサーは、前作と比較して4倍の有効検知範囲を有し、センサーの大型化によって低照度環境下でも優れた性能を発揮することができるだけでなく、ISO感度も上限値が3200から12800へ引き上げるなど、Proの名に恥じない素晴らしいスペックを持っています。
また、今回の「Pro」に搭載されたカメラはF2.8~F11の範囲で絞りを調整できるようになっており、暗い場所での撮影や明るい場所での撮影に関しては取り込む光量の違いを調整することで、しっかりとクリアな撮影をすることができます。
「Mavic2 Zoom」の特徴
その名の通りズーム機能を売りにした「Mavic2 」であり、24~48mm光学ズームカメラを搭載し、遠くにいる被写体でも機体を近づけずに撮影することが可能です。
例えば動物や自動車などはあまり近づき過ぎると危険である場合でも、ズーム機能を使えば遠くからでも撮影が可能です。
また、ドローンにおけるズーム機能を使う場合に気になるのはフォーカスの速度があります。
せっかくズームが捉えた被写体でも、フォーカスが合っていなくては何もなりません。
しかし、「Mavic2 Zoom」では、ハイブリッドオートフォーカス機能を使って、素早く正確なフォーカスを実現しているところも見逃せないポイントです。
さらに、「Mavic2 Zoom」には摩訶不思議な視覚効果を与えることができるドリーズーム撮影機能が搭載されています。
これを使うと、まるで空間が歪んでいくような錯覚に陥いるユニークな映像を撮影することができるようになります。
「Mavic2 Enterprise」の特徴
次に産業用の機体である「Mavic2 Enterprise」を見ていきましょう。
この機体には、「Zoom」と同様のズームカメラが搭載されており、中遠望で撮影することが可能です。
カメラは12MP1/2.3インチCMOSセンサーを搭載したカメラで、光学2倍ズームとデジタル3倍ズームを性能を持ったダイナミックズーム機能を搭載。
さらに、撮影した映像の信頼性を高めるために、事後解析メタデータとしてGPSタイムスタンプ機能が搭載されています。
また、この「Mavic2 Enterprise」にはさまざまなアクセサリーを取り付けて、目的に応じた機体にカスタマイズすることができるようになっているのも大きな特徴です。
機首上部に「スポットライト」や「スピーカー」「ビーコン」のようなアクセサリーを取り付けて、いろいろな場面に対応できる機能を持った機体に変身させることができます。
今後もこのアクセサリーはラインナップを増やしていくことが予想され、「Mavic2」の活躍の場もさらに広がっていくことでしょう。
「Mavic2 Enterprise Dual」の特徴
一方、「Mavic2 Enterprise」から遅れること1ヶ月余りでリリースされたのが「Mavic2 Enterprise Dual」です。
この機体は、サーモカメラと可視カメラがひとつのユニットに収まっているのが大きな特徴で、双方のカメラで撮影した映像をひとつに集約して見ることができたり、サーモカメラを活かしてさまざまな分野での活躍が見込まれています。
この機体は2つのカメラを活用することで、可視画像と熱画像をリアルタイムで統合し、温度の観察をおこなうことができます。
この機能を活用すると、建物の火事や山火事などが発生した際に、上空からどこが火元か把握することができ、それに応じた対応ができたり、要救助者を発見することもできるでしょう。
また、ソーラーパネルの点検でも、異常なパネルは高熱になっているという特徴を、この機体のカメラならば捉えることができます。
まとめ
このように「Mavic2」はコンシューマ向けのみならず、産業用としても大きな可能性を秘めた機体に発展しています。
また、「Mavic2 Enterprise」のアクセサリー機能は、これまでのDJI社のプラットフォーム的な考え方の延長線上で、オプションパーツを用意して機体をさまざまな分野で使えるようにするもの。汎用的な産業用の機体として非常に賢い選択なのではないでしょうか。
このようにあらゆるシーンでの活用が見えてきた「Mavic2」。
その勢いはしばらく止まることはなさそうです。
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