世界的ドローンメーカー・DJIの歴史【前編】

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ホビー用途、産業用途にかかわらず、ドローンを飛ばしている人ならば絶対知っている世界的なドローンメーカー「DJI」

ドローンによる空撮を一気にスタンダードにした「PHANTOM」シリーズや、小型ドローン「Mavic」シリーズ、プロの現場でも通用するようなハイエンド機まで幅広いラインナップであらゆる領域に進出しているこの企業は、創業からわずか10年で世界のドローンのトップシェアを占めるようになり、その勢いはますます加速しています。

そこで今回はこのドローン業界の巨人であるDJIの歴史を二度に渡って振り返り、その強さの秘密を探っていくことにしたいと思います。

姿勢制御装置からのスタート

DJIは、2005年に当時、香港科技大学の学生だったフランク・ワンが創業した会社です。

フランク・ワンは日本のRCヘリコプターを飛ばしていましたが、どうしても安定して飛ばすことができず、この機体をよりスマートに安定感良く飛ばすためにはどうすれば良いのか考え、生み出されたのがDJIのフライトコントローラー(姿勢制御装置)でした。

つまりDJIは最初からドローンそのものを作っていたのではなく、無人航空機を飛ばすためのデバイスからその歴史をスタートさせたのです。

その後、ドローン(当時はマルチコプターなどと呼ばれていました)の存在がフューチャーされるようになってくると、DJIもドローンのフレームやGPS付きのフライトコントローラーを発売。
サードパーティのモーターやESC、リポバッテリーと組み合わせて、マルチコプターをパワフルに、そして安定感良く飛ばせる時代が来るようになったのです。

DJIのフライトコントローラー。DJIは姿勢制御装置の開発から機体、カメラと次々と新しい分野に名乗り出ていった。

オールインワンパッケージ「PHANTOM」の登場

そんな経緯で徐々にDJIの名前は世界に広がっていきましたが、その名を一気に広く知らしめたのが、2012年に発売され、現在も主力商品として発売されている「PHANTOM」です。

ドローンは、それまでデバイスごとにさまざまなメーカーから発売されていたものを組み合わせて構成していましたが、この機体はドローンが飛行するに必要な要素をすべて詰め込んだオールインワンパッケージの機体として注目を集めました。

モーターやESC、リポバッテリーはもちろん、飛行に必要な送信機、そしてDJIのコアでもあるフライトコントローラーまでを流線型のボディに詰め込み、簡単な設定で非常に安定感良く飛ぶドローンとして、リリース後爆発的なヒットを記録しました。

しかし、この時点ではまだカメラやジンバルは搭載されておらず、当時こちらも流行り始めていたGoProのアクションカメラ「Hero」などを取り付けることができる台(ジンバルではなく、ただ据え置くだけ)が用意されており、これを使って空撮をおこなう形を取っていました。

それでも、この機体のおかげで「ドローンを使った空撮」という新しいマーケットが登場したのですから、ドローンの歴史の中でエポックメイキングな機体であるということができるでしょう。
それだけ衝撃的な1機だったのです。

DJI「PHANTOM2」。GoPro「Hero」が搭載可能な3軸ジンバルを搭載し、ドローンによる空撮を一気にメジャーなものにした。

進化していく「PHANTOM」

そんなDJI「PHANTOM」はその後「PHANTOM2」へ進化します。

この機体で画期的だったのはGoPro「Hero」シリーズが搭載できる3軸ジンバルが装備されたことでしょう。
これにより機体が移動中でもブレのない安定した美しい映像を撮影することができるようになり、ドローンによる空撮をまた一段ステップアップしました。

そして、この「PHANTOM2」をベースに2014年に発売されたのが「PHANTOM2 Vision+」という傑作機です。
この機体は現在の同シリーズの基幹となる部分を初めて具現化したもので、ドローンの歴史の中でも大きなターニングポイントとなった機体です。

具体的には、まずDJIがオリジナルでカメラを機体に搭載しました。
それまでのGoProなどサードパーティのアクションカメラと決別したタイミングであるとも言えます。

そして、そのカメラからの映像を、スマートフォンにインストールしたアプリで見ることができるようになったのもこの機体からです。

当時はLightBridgeではなく、映像の伝送は送信機の横に取り付けたレンジブースターに頼っていましたが、手元で機体からの映像を手軽に(5.8GHzなど使わず)リアルタイムで見ることができるようになったのは、それまでドローンを飛ばしてきた人にとっては念願が叶ったと言えるものでした。

この機体は世界中で大ヒットし、DJIの躍進を支えた功労機とも言える存在になりました。

DJI「PHANTOM2 Vision+」の送信機。アンテナの横にはレンジブースターが付いており、スマートフォンとWi-Fiで接続。アプリを使って手軽に本格的なFPVフライトができるようになった。

後編へ

いかかでしたか?

前編は2005年の創業から2014年までのDJIの歴史を紹介しました。
後編では機体ラインナップが一気に広がった2014年以降を見ていきたいと思います。

後編もぜひお楽しみください。

DJIの歴史【後編】2014年~

世界的ドローンメーカー・DJIの歴史【後編】

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