初めてドローンを使った空撮映像を見た時、何よりも驚くのは飛んでいる機体からの映像なのに非常に滑らかで、まったく振動やブレがなく、とてもスムーズなことではないでしょうか?
まるで地上で撮影しているかのように、上下左右のブレがなく撮影できるのは、ドローンに搭載されたカメラと機体の間にジンバルと呼ばれるデバイスが装着されているからです。このジンバルが機体の動きと連動でして、機体が傾いてもカメラは傾かないようにすることで、上空で移動しながらでも安定した映像を撮影することができるようになっているのです。
最近ではこのジンバル技術を応用し、空を飛ぶドローンだけでなく、地上におけるカメラの撮影でも活用が始まっています。いわゆるハンドヘルドジンバルと呼ばれるもので、別名スタビライザーとも言われています。
特に最近、活発な動きを見せているのがドローンで有名なDJI社です。DJIはドローンで培ってきたジンバル技術を応用し、非常にレベルの高いカメラスタビライザーを開発し、世に送り出しています。今回はそんなDJIのカメラスタビライザーを見ていくことにしたいと思います。
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世界最小クラスのジンバル付きカメラ「Osmo Pocket」
DJIが2018年に発表した「Osmo Pocket」は、そのコンパクトさと多機能さで非常に話題となったカメラです。筐体の上部に小型の3軸メカニカルジンバルを搭載しており、その中に超小型の高性能カメラを搭載。筐体の中央部にはやはり小型のタッチパネルが装備されており、豊富な機能を切り替えながら使うことができます。
普通のスマートフォンの光学式手ブレ補正や、アクションカメラの電子式手ブレ補正と異なり、ジンバルを使った手ブレ補正はユーザーの動きにリアルタイムに反応して手ブレを補正してくれるため、その映像は非常に滑らかなものになります。
搭載されているカメラも、1/2.3インチCMOSセンサー搭載で80度の視野角を持ち、F2.0の絞りを搭載しているので、美しい景色をありのまま撮影することが可能。100Mbpsの動画と1.55ピクセルサイズの静止画に対応するなど、小型ながらそのパワフルさはかなりのものとなっています。
また、DJIらしく豊富な撮影モードが用意されているのも特徴のひとつ。ユーザー目線で撮影ができるFPVモードや、被写体を追いかけ続けるアクティブトラック、3×3パノラマ撮影、モーションラプス、そして暗い場所で自動で明るめの補正をしてくれるナイトショットなど、シーンに応じて撮影モードを切り替えることで、自分が理想としている撮影をおこなうことができるでしょう。
筐体にはユニバーサルポートが用意されており、スマートフォンを装着することで、アプリを通じて大きな画面で撮影することができたり、さまざまな撮影モードを切り替えることができる。非常に軽量で小型なのでどこへでも持っていくことができ、出先で出会った風景をブレのない美しい映像に収めることができる「Osmo Pocket」。最新スタビライザーの実力をぜひ体感してもらいたいと思います。
スマートフォンを装着できる最新機種「Osmo Mobile3」
この「Osmo Mobile3」は、スマートフォンを搭載できるスタビライザー「Osmo Mobile」シリーズの最新作として2019年8月に登場しました。この「Osmo Mobile3」の特徴は搭載された3軸ジンバルによって、スマートフォンでも驚くほど滑らかでブレのない映像の撮影を、非常に簡単におこなえてしまうことでしょう。
「Osmo Mobile3」は、折りたたみ式の筐体となっており、非常にコンパクトな形で持ち運ぶことができます。折りたたんだ状態でのサイズは157×130×46mmとなっており、重量もわずかに405gですので、かばんの中に入れて携帯したり、車の中に入れておいてお出かけの際に活用することもできます。軽量かつ片手ですべて操作できるようになっており、その使い勝手は非常に高いものとなっています。
もちろん、この「Osmo Mobile3」にも豊富な撮影モードが用意されていることは言うまでもありません。この「Osmo Mobile3」にはストーリーモードという撮影モードが用意されています。このモードは、デフォルトでさまざまなテンプレートが用意されており、カメラワークや音楽、エフェクト効果などを自動で映像に追加してくれるので、短時間で非常にクリエイティビティに溢れた作品を残すことができます。
また、被写体を追いかける「アクティブトラック」は新たに「アクティブトラック3.0」に進化し、より追尾性が高くなり、なっています。
さらにジェスチャー&セルフィー機能があるので、一人旅でも簡単に撮影をすることができ、アクティブトラックの起動などにもジェスチャー機能を使うことができる点も見逃せないポイントではないでしょうか。
他にもパノラマ、タイムラプス、スローモーションといった機能も用意されており、うまく使い分けることで、他の人とは一味違った映像に仕上げることができるでしょう。
プロの現場でも使えるミラーレス片手持ち用ジンバル「RONIN-SC」
本格的なカメラ用スタビライザーである「RONIN:シリーズの最新作「RONIN-SC」は、ミラーレス一眼レフを搭載可能なカメラスタビライザーとなっており、プロの現場にも対応できるようなハイスペックさと多機能さが売りの最新機種となっています。
この筐体の特徴は。その画期的なフレームワークにあります。スタビライザーに搭載したカメラをロール軸よりも高く持ち上げることが可能となっており、背面にあるカメラの内蔵ディスプレイを遮らないような設計は見事なもの。撮影者がスムーズに撮影できるように、細かい部分まで配慮されているのがわかります。
また、パン軸を無制限にすることでカメラの自由度が大きく向上しており、オリジナリティ溢れるユニークな映像を撮影することができるでしょう。
さらに、ボタンとトリガーの操作でほとんどの機能を使うことができるようになっており、握りやすさを意識したバッテリーグリップで、滑りにくく長時間の撮影にも耐えられるものとなっています。
また、「Osmo Pocket」や「Omso Mobile3」同様、この「RONIN-SC」にもさまざまな機能が用意されています。パノラマ撮影やタイムラプス、モーションラプス、アクティブトラック3.0といった機能のほかに、モーションコントロールというものも搭載されています。このモーションコントロールは、カメラワークの軌道を作成すると、必要なときに希望するフレームでいつでも繰り返し撮影することができるという便利な機能となっており、現場であったら便利、という機能が多く搭載されていることが「RONIN-SC」の大きな特徴といえるでしょう。
最近、多くの機種が揃ってきたミラーレス一眼レフを使って、より美しい映像を撮影するならば、ぜひオススメの「RONIN-SC」。ひとつ上のレベルのクリエイティブ制作に挑戦してみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしょうか?DJIはその技術を応用し、空だけでなく地上でのカメラ撮影にも革命を起こしました。今後もこの分野は拡充を続けていくと予想されており、ドローンだけでなくスタビライザーの世界でもDJIから目が離せないことでしょう。
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