ドローンハイウェイ構想:産業用ドローン最新トレンドウォッチャーVol.26

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月に一度、キーワードを元に最新の産業用ドローンのトレンドを追いかけていく本企画。第25回のテーマは「ドローンハイウェイ構想」です。ドローンを活用した物流は非常に高い注目を集めていますが、その物流網を作る上で重要なドローンの「ハイウェイ」を作っていく計画があります。今回はそんな「ドローンハイウェイ構想」をご紹介したいと思います。

ドローンハイウェイ構想とは?

ドローンハイウェイ構想とは2017年3月に東京電力とゼンリンが発表した構想です。この両者で新たにドローン向けのインフラを構築していくとして、「ドローンハイウェイ構想」が持ち上がりました。この構想は、日本全国99.6%の地図データを持つゼンリンと、日本一の電力インフラを持つ東京電力がタッグを組んだもので、ドローン社会の実現に向けて、安全飛行インフラを構築していくとしています。

具体的には、東電が持つ電力ネットワークを「空から見える道しるべ」とし、ゼンリンのドローン向け地図データベースと組み合わせて安全に飛行できるルートを構築していくことを目指しています。STEP1では3次元インフラ情報の整備をおこない、STEP2で誘導プラットフォームの研究開発をおこない、STEP3でドローンポートの開発をおこなうとしています。ドローン普及の課題とされる、安全な飛行ルートがわからなかったり、建物や鉄塔、電線等の位置がわからなかったり、長時間飛行できない、といった部分をこの「ドローンハイウェイ構想」で解決していこうとしています。

さらに翌2018年にはこのドローンハイウェイ構想に楽天がジョイン。楽天は「楽天ドローン」としてドローン配送サービスに取り組んでいますが、実証実験では東電のインフラを使ったドローンの道を楽天のドローンが飛行。東電の鉄塔に沿ったルートを、ゼンリンの3次元地図を用いて作成し、鉄塔の片道3kmの距離において自律飛行に成功しています。これは「レベル3(山間部での目視外自律飛行による荷物配送)」と呼ばれる飛行レベルでの実験に成功した事例となります。

このように3社によってドローンハイウェイ構想はより具体的にさまざまな課題を確認し、改善していくフェーズへに突入しています。

ドローンの道の重要性

今後、ドローンが飛行することが当たり前になる中で、ドローンが飛行するエリアやルートというのは非常に重要になってきます。やたらめったらドローンが好きな場所を飛行するようでは衝突事故や飛行中の事故が多発するでしょうし、物流としてロングフライトが期待される中で、途中でバッテリーが切れてしまうのは非常に差し支えがあることでしょう。

そんな中、東電が持つ鉄塔などのインフラネットワークと、ゼンリンが持つ地図データを組み合わせてドローンだけの飛行ルートを作ることで、安全で確実なドローンの飛行をサポートできることになります。また、途中にドローンポートを設けて、ドローンで使われているリポバッテリーの充電することにより、遠距離での飛行も可能にすることができます。ドローンポートが自転車の車輪で言うところのハブアンドスポークの役割を担うことも期待されており、東電のインフラ網を軸とした細かいネットワークを構築することも可能でしょう。

これらの「ドローンの道」は、単にドローンが飛行するための道しるべというだけでなく、多くのドローンが飛行するようになる中で、ドローン同士の接触事故の防止や住宅密集地の回避、墜落事故時のリスクヘッジなども期待されます。

ドローンはラストワンマイル配送の要とされるソリューションであり、特に日本のように山間部や離島が多くあるような国土では、ドローンによる配送の実現が非常に注目されています。この「ドローンハイウェイ構想」が次の時代のドローンによる配送の基礎となることを期待したいと思います。

まとめ

今回は東京電力、ゼンリン、楽天が提唱するドローンハイウェイ構想について紹介してきました。ドローンがバンバン飛び交うようなドローン社会においては、その主役たるドローンが安全に飛行できることが大前提となります。この「ドローンハイウェイ構想」で、ドローンが飛ぶべき道が見えてくるとしたら、それは非常にワクワクする構想ではないでしょうか。今後の「ドローンハイウェイ構想」の動きに注目していきたいと思います。

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