ドローンとアプリケーション|産業用ドローン最新トレンドウォッチャーVol.21

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月に一度、キーワードを元に最新の産業用ドローンのトレンドを追いかけていく本企画。第21回のテーマは「ドローンとアプリケーション」です。産業用ドローンは、ドローンそのものだけでは何もできず、ドローンと何かを組み合わせることで新しい価値を生み出します。現在、多くのサービスが開発されており、ドローンとアプリケーションを組み合わせ、これまでに内容なサービスが誕生してきています。そこで今回は、「ドローンとアプリケーション」というテーマを深掘っていきたいと思います。

ドローンそのものでできること

ドローンそのもの=機体そのものでできることは意外と多くはありません。一般的なイメージでいくと、ドローンの特徴は人がいけないところまで飛んでいける、だったり、空中から撮影ができる、と思う方が多いでしょう。もちろん、これも間違いではないですが、ドローンの最大の特徴は、上空からさまざまなデータを収集することができる、ことだと考えます。この「さまざまなデータ」というのは非常に多岐に渡っており、ここの項目が増えれば増えるほど、ドローンが活躍する領域が増えていくことになります。

では、具体的にドローンが取得できるデータというのはどのようなものがあるでしょうか。ひとつは画像です。空撮をすることで得られる画像もデータのひとつです。画像1枚1枚には、撮影した場所、時間、高度が記録されます。これらを組み合わせることで、画像データから測量用の3次元データを起こすことができます。

また、農業の場合、上空から特殊なカメラを使用することで作物の育成状況を把握することができます。これらのデータを活用することで、育成状況も悪いところにだけ追肥をおこない、同じ圃場内で作物の質を均一にすることが可能です。これもデータを活用した事例です。

また、鳥獣被害対策として上空から赤外線カメラで撮影した画像もデータとして非常に有効です。鳥獣がどのような獣道を降りて人の畑を荒らすのか見ることで、そこに対して手を打つことができます。

このようにドローンが上空から取得してくるビッグデータは、非常に貴重なデータばかりになります。しかし、これらのデータはそのままではあまり使い道がありません。これらのデータを加工して、具体的に活用できるようにするために、さまざまなアプリケーションが開発されているのです。

ドローン+アプリケーションによる活用

ドローンにはさまざまなアプリケーションが搭載されています。例えばDJIの「Mavic 2 Enterprise Dual」。この小型産業用ドローンには、特殊なカメラが搭載されており、可視画像と熱画像をリアルタイムに統合して表示させることができます。その名のとおり、Dualなカメラで撮影した画像を、アプリケーションを使ってひとつにし、より効率的な作業を可能にしているのです。

同様にDJIの精密農業用ドローンである「P4 Multispectral」では、一般的なRGBのライブ画像と正規化差植生指数(NDVI)分析を瞬時に切り替えることができます。これもDJIが提供するアプリケーション上でおこなうことが可能で、現場で画像を切替えながら、データの分析をおこなうことができます。

また、複雑化するドローンのミッションを効率的におこなうためにサポートしてくれるアプリケーションも多く開発されています。例えば、上空でカメラの設定を非常に簡単かつ細かく設定できるアプリケーションや、自動航行のルートを簡単に設定できるアプリケーション。こういったアプリケーションは、機体メーカーを問わず使うことができるものが多く、特にドローンで測量をおこなう人にはとても重宝するものではないでしょうか。

ドローン業界のプラットフォーマー

上記のようにDJIの事例を2パターン紹介しましたが、DJIのドローンソリューション(機体そのもの)と、アプリケーションに関する考え方は明確です。DJIは以前より開発者向けに「DJI SDK」を提供しています。これにより、開発者は自由にDJIの機体向けのアプリケーションを開発することができます。DJIの考え方としては、開発にリソースとコストのかかるフライトコントロール(機体制御)の部分はDJIに任せてもらい、DJIのフライトコントローラーが載った機体を使って、独自のアプリケーションを開発してさまざまなサービスを開発してください、というスタンスなのです。iPhoneやAndroidのスマホと同じで、OSはAppleやGoogleが開発するので、それらの上で動くアプリケーションをどんどん開発してください、というのと似ていますよね。そう考えるとDJIはドローン業界における機体メーカーではなく、プラットフォーマーとして位置づけて考えるのが妥当なのではないでしょうか。

アプリケーションはドローンが活躍していく上でなくてはならないものです。優れたアプリケーションがないとドローンが取得した貴重なデータも、宝の持ち腐れとなってしまいます。今後もますますユニークなアプリケーションが開発され、さらにドローンが活躍する領域が増えていくことでしょう。

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