最近出てきたソリューションとマーケットだけに、ドローンに関する用語はどれも馴染みの薄いものばかり。
普段から何気なく使っているものの、意外とその本当の意味や内容を理解できていないものもあるのではないでしょうか?
そこで今回はそんなドローン用語を徹底解説。
「ドローン用語の基礎知識」と題して、ドローンに関するさまざまな用語を分かりやすく紹介していきます。
第1回のお題は「リポバッテリー」。
現在、世界で飛行しているドローンのほとんどが、このリポバッテリーで飛行していますが、リポバッテリーがどんなものか理解できていますでしょうか?
それではリポバッテリーについて詳しく見ていきましょう。
リポバッテリーとは
正式名称はリチウムポリマーバッテリーと言います。
ラジコンの世界では15年前ほどから使われるようになったバッテリーで、それまで主流だったニッケル水素バッテリーやニッカドバッテリーよりも軽量でパンチ力があり、ラジコンに用いるには最適なバッテリーです。
最初は高価だったこともあり、なかなか手が出せませんでしたが、海外製の安価な製品が輸入されるようになってからは、あっという間に普及し、ラジコンの電動化に大きく影響を及ぼすことになりました。
その後、登場するドローンについても、その流れのままリポバッテリーが使用され今日に至ります。
リポバッテリーの構造
リポバッテリーは、内部にゲル状の誘電性ポリマーを使用したバッテリーで、その周囲をアルミラミネートし、1つのバッテリーとして構成されています。
縦長から分厚いものまでさまざまな形状がありますが、ドローンで用いられるのは比較的縦長のものが多いです。内部はセルと言われる塊がいくつか直接で接続されています。
その塊が1つなら1セルで電圧は3.7V、2つなら2セルで7.4V…となっていきます。
一般的にドローンで用いられるのは4~6セルのリポバッテリーが多く、トイドローンでは1セルのものが使われることもあります。
リポバッテリーの特徴
リポバッテリーは従来のニッカドバッテリーやニッケル水素バッテリーより軽量ながら、放電能力が高く、パンチ力があります。
また、小型でも容量が多いものも特徴で、従来のバッテリーと比べて飛行時間を格段に伸ばすことに成功しています。
一方、取り扱いを間違えると発火の危険性があるのもリポバッテリーの特徴となります。
前述のように外装がアルミラミネートとなっているので、外からの衝撃に弱く、墜落や高いところから落下させたり、外部から強い力を与えるとショートを起こして、最悪は発火する危険性があります。
また、内部で何らかの不具合が発生すると、おもちのように内部から膨らんできたりします。
こうなるとそのリポバッテリーは使用不可能ですので、すぐに新品と交換して使わないようにしましょう。
リポバッテリーの充電
リポバッテリーの充電には専用の充電器を使っておこないます。
最近ではリポバッテリー専用ではなく、他のさまざまなバッテリーも充電できるマルチタイプの充電器が主流となっており、ある程度のスペックのものをひとつ手元に用意しておくと良いでしょう。
リポバッテリーを充電する際は、充電器をリポバッテリーモードにして充電をおこないます。
万が一の充電中の事故に備え、充電をしている際は必ず何かあった時にすぐに充電を停止できるようにしておくことが大切です。
充電中に目を離したり、外出してしまったりしてはいけません。
常に凝視しておく必要はありませんが、何かあった際はすぐに充電を中止できるように備えておきましょう。
リポバッテリーの充電の基本は1C充電です。
これは例えば充電するリポバッテリーが3000mAhならば、充電電流を3Aに設定して充電します。
あまり高い電流値での充電はリポバッテリーを痛めやすく危険です。
必ず1C充電を守るようにしましょう。
リポバッテリーの取り扱い
普段、リポバッテリーは耐火性のアルミケースなどにしまっておくようにします。
万が一に備え、防水性のパッキンなどがあるアルミケースが最適でしょう。
自宅での保管時は、陽が直接当たらないような涼しい場所で、厳重に保管することをオススメします。
また、大事なポイントとして、ケースの中でリポバッテリーの端子同士が触れ合ってショートを起こさないように、必ずキャップをはめておくようにしましょう。
さらに保管時は、フル充電で保管するのではなく、充電器のストレージモードを使用して適切な電圧にしてから保管するようにしましょう。
ドローンの飛行時、リポバッテリーの容量を20~30%残してフライトを終えるようにしましょう。
リポバッテリーはゼロまで使い切ってしまうとすぐに破損してしまいます。
必ず残容量に余裕を持った飛行を心がけましょう。
まとめ
ドローン用語の基礎知識「リポバッテリー編」、いかがでしたでしょうか?
今後テクノロジーの発展とともにますます活躍するでしょうリポバッテリーですが、ひとつ使い方を誤ると危険な状況に陥ります。
安全で確実な使用を心がけましょう。
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