進化するインフラ点検用ドローンの最新事情

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日本においてもさまざまな産業用ドローンが活躍するようになった昨今、特に熱い注目を集めているのがインフラの点検用ドローンではないでしょうか。

ドローンが得意とする「空撮」と「人間が近寄れないところへ簡単に行ける」という2つの能力を組み合わせた時、国土のさまざまなインフラ点検用にドローンを使うというアイデアが生まれてくるのは必然だったのではないでしょうか?

最近では地方自治体が積極的にドローンを活用し、自治体内の多くのインフラの点検にドローンを使うなど、その積極的な動きが多く報じられるようになってきたところでもありますので、今回はインフラ点検用ドローンについて紹介していきたいと思います。

インフラ点検用ドローンとは

従来のインフラ点検での課題

日本は山と海に囲まれ平野が少なく、しかも人口は非常に多い国です。

その国土のさまざまな場所に自動車の道路や橋、トンネル、さらには鉄塔や水道管といった人々の暮らしを支えるインフラが所狭しと整備されています。

こういったインフラは生活になくてはならないものですので、定期的に点検をおこなって、問題なく稼働しているか、何か不具合がないか、しっかりと確認しなくてはいけません。

従来はその点検は主に人の手でおこなって来ました。

しかし、人がおこなうには非常に危険な場所であったり、効率が悪くコストばかりかかってしまう場所など、人がおこなう点検には課題があったことも事実です。

注目されるドローンでのインフラ点検

そんな時、注目されたのがドローンを使った点検です。

カメラを搭載し、人が近寄れないようなリスキーな場所でも簡単に近づくことができるドローンは、人の手による代替手段として最適で、ドローンの性能が高まるにつれて、急速に点検領域でも注目を集めるようになりました。

インフラ点検用ドローンは、その用途によって大きく姿や装備が異なります。

基本的な装備としてはカメラとジンバル、そして点検するインフラとの距離を測ったり、衝突を防ぐためのセンサーが主な装備となります。

また、機体によっては点検時間確保のため、有線で電源を供給する機体も登場しています。

これらの機体は市販品ではなく、その用途に応じて作られたワンオフのものが多く、さまざまな工夫や最新のテクノロジーを駆使した機体が次々と発表されています。

ドローンによるインフラ点検

日本のさまざまな場所でドローンを使った点検がおこなわれていますが、その中からいくつか事例を紹介したいと思います。

橋梁

まず、いち早くドローンを使った点検を採用した企業がNEXCO中日本です。

国産ドローンメーカーであるエンルートや、トップシェアを誇るDJIと組んで高速道路の橋梁点検に特化したドローンを投入。

有線タイプの機体は、電源に電力が常時供給されるだけでなく、操縦系統やカメラの映像も有線で手元まで来るため安全な点検ができる点が大きなメリット。

上部にカメラを設置して、橋梁の橋桁や橋梁の裏側も点検できるようになっています。

高速道路は山間部を通していることも多く、橋梁は人が近づきにくい場所に多くあります。

まさにドローンがその性能を発揮できる場所と言えるでしょう。

◆ point

  • 高速道路の橋梁は山岳部で人が近づきにくい場所に多くある
  • 有線タイプのドローンは、電力が常時供給され、操縦系統やカメラ映像も有線となるため安全に点検可能!

送電線

山々の間と間を縫うように送電線が張り巡らされ、高い鉄塔が立っているのも日本のよくある風景のひとつです。

そんな送電線や鉄塔の点検は非常に危険な作業となり、毎年、点検作業者の事故が発生しています。

そんな危険な点検にもドローンが投入されはじめました。

これまで、ドローンは送電線が放つノイズによって操縦やGPSの受信に混乱をきたすため、できるだけ送電線からは離してフライトするように言われてきました。

しかし、昨今はテクノロジーの進化により長距離でも確実に操縦系統やカメラからの電波を受信し、しかも何かあった際の冗長性も確保したシステムが開発されたことで、送電線の点検もドローンでおこなえるようになってきました。

高い場所に設置され、高い電圧の電気が流れているとても危険な場所だけに、人の手ではなく、ドローンに置き換えられたことは、非常に大きな成果ではないでしょうか。

◆ point

  • 操縦やGPSの受信に影響があるため、従来のドローンは送電線から離して飛行する必要があった
  • 昨今は長距離でも確実に操縦系統やカメラからの電波を受信
  • トラブル時の冗長性を確保したシステムの開発

下水管

こちらはまだ実験段階ですが、小型のドローンを地中の下水管の中に投入し、内部の様子をカメラで点検するという実験がおこなわれています。

下水管は整備されてからかなりの年月が経っている地域が多く、その点検と維持が重要な課題となっています。

しかし、人が入っていくには、内部でガスが発生したり、水難事故を招いたりと送電線同様リスクが高く、点検できたとしても凄まじい距離を張り巡らされた下水管ですので、そのコストはかなりのものとなってしまいます。

一方、ドローンで点検するにしても難しい問題があります。

それは地中のためにGPSが使えないのに、下水管は非常に狭いという点です。

これを解決するために、非GPS環境下における安定飛行を可能にした機体の開発が進められました。

このような機体は、カメラの映像を機体が自分で画像処理技術で分析し、自己位置を推定しながら飛行するというもの。

現在、いくつかの地方自治体で実験がおこなわれており、実用化も目の前といったところです。

◆ point

  • 下水管内部はガスの発生や、水難事故を招いたりと人による点検はリスクが高い
  • とても長い距離のため人件費も多額となる
  • 従来は困難だった非GPS環境下における安定飛行を可能にした機体の開発が進められ、実用化も目前

まとめ

このように、さまざまなインフラの点検に、その用途の応じてカスタムされた機体が投入されており、この流れは今後も続いていくことでしょう。

さらに機体のコントロールやカメラの性能が上がるにつれて、ドローンによる点検が可能になる箇所も増えていくことでしょう。

次の課題は、そのドローンを操縦できるオペレーターをどう増やしていくか。このあたりに注目が集まっていくのではないでしょうか。

 

 

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