5つのキーワードから見た「JapanDrone」レポート

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さる3月22日から24日にかけて、千葉県にある幕張メッセで産業用ドローンの展示館「JapanDrone2018」が開催されました。

ドローン単独の展示会としては日本最大級となるこのイベントでは、産業用ドローンの最新トレンドをいくつも見ることができる内容となっており、注目すべき機体やサービスが目白押しでした。
ここでは5つのキーワードに沿って、見ていきたいと思います。

 

KEYWORD①「i-Construction」

国土交通省が推進する、ICT の全面的な活用(ICT土工)等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図る「i-Construction」。
この取組の中でドローンが担う部分は大きく、これまで人の手でおこなってきた測量をドローンを使った短時間で密度の高い3次元測量に置き換えるということで、まさに「i-Construction」の入り口、しかもすべての行程の基となるデータを取得する部分ということで非常に注目が集まっている。

本サイトの別記事でもお知らせしたとおり、DJIは初のカスタマイズプラットフォームとして、コマツに向けて開発した評定点なしで高精度な測量を実現するという「EXPLORE1」を開発。
「JapanDrone2018」に出品してきました。

DJI初のカスタマイズプラットフォーム「EXPLORE1」を開発

躍動するスマートコンストラクション

他にも「TOPCON」ブースにおける「TSトラッキングUAS」写真測量システムや、「RIEGL」ブースに展示されていたハイエンドのレーザースキャナを搭載した機体など、「i-Construction」はいよいよ大きな注目を集め始めています。
今後は「i-Construction」の行程全体をソフト面でも人的な面でも一気通貫でサポートできるサービスが支持されていくのではないでしょうか。

ハイエンドのレーザースキャナを搭載した機体

KEYWORD②「UTM」

NTTドコモは「ドローンプラットフォーム docomo sky」をアピール

今後、国内外でドローンが多く飛ぶようになると問題となってくるのがドローン同士の接触です。
航空機の世界では航空管制があり、すべての機体がルールに従って飛行していますが、ドローンでは今のところそういったものはなく、ただ飛行に関してのルール(航空法)があるのみです。

そういった中、世界的に注目されているのがUTMと呼ばれるドローンの航空管制です。
アメリカのNASAが中心となって開発しているUTMですが、国家レベルの話のほかに、民間でもその地域の航空管制を担うサービスや、機体自らがジオフェンスのようなシステムで飛行エリアを区切るものもあり、いくつかのレイヤーに分かれているのが現状です。

「JapanDrone2018」でもUTM関連のサービスがいくつか出展していました。
「楽天」はアメリカ「AirMap」社との合弁企業で「楽天AirMap」の提供を今年スタート。
ドローンを飛ばす人と、飛ばす場所の空域管理者をつないで、事前に飛行許可を得たりすることができるローカライズされたUTMサービスです。

また、「NTTドコモ」ブースでは2月に発表した「ドローンプラットフォーム docomo sky」をアピール。
こちらには運航支援基盤の中に運行管理システムがあり、一定の空域内に飛行している複数のドローンの位置情報を一元管理するもので、空中衝突や禁止空域への進入を検知して通知し、空域の安全を確保してくれるということです。

今後、多くの機体が空を飛ぶ時代。
安全を考えるとUTMの普及は必須の課題と言えそうですね。

KEYWORD③「エンジン」

エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドパワーユニット

産業用ドローンに求められるスペックのひとつに「飛行時間」があります。
ビジネスユースで見た場合、当然長く飛べる方が良いわけですが、現在のドローンの燃料源であるリポバッテリーの場合、長時間飛行を実現するためにはどうしても容量を多くする必要があり、それだけバッテリーが大きく、重たくなってしまうことで機体重量がかさみ、今度はペイロードが犠牲になってしまうということになります。
そこで海外を中心に注目されているのがエンジンです。

もともと、ラジコンの世界では模型用エンジンが主流で、モーターとバッテリーはここ15年ほどで登場したものでした。
エンジンのメリットはとにかく燃費が良い点、そしてガソリンエンジンならば比較的調達が容易な点が挙げられます。
デメリットとしては振動が多いこと。そしてエンストがあることでしょう。
海外ではエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドパワーユニットも開発されており、「長く飛ぶことができない」と揶揄されるドローンの概念を変えることになるかもしれません。

インダストリーネットワーク社がガソリンエンジン搭載モデルを展示

「JapanDrone2018」でも、模型用エンジンで有名な小川精機(O.S.)や、インダストリーネットワーク社がガソリンエンジン搭載モデルを展示。世界的なトレンドを垣間見ることができました。

KEYWORD④「物流・配送」

産業用ドローンの分野で特に注目を集めているのが「物流・配送」の領域です。
人口減が続き、人手不足が深刻となる中、山間の過疎地域や離島を中心に、ドローンを使って物を運ぶ実証実験が繰り返されており、2018年にはいよいよ目視外での物流実験もおこなわれる予定です。

注目を集めている楽天の「楽天ドローン」

そんな中、やはり注目を集めているのは楽天の「楽天ドローン」ではないでしょうか。
自律制御システム研究所製の機体「天空」を使って、これまでもゴルフ場でプレイヤーにボールを届けたり、NTTドコモの5G回線を使って楽天本社から遠く離れた機体を飛ばすような実験を繰り返してきている同社。

最近では「天空」を使って、コンビニから唐揚げをお客の自宅付近まで配送する実験もおこない、「物流・配送」領域におけるドローンの可能性を見せてくれています。
最終的には「楽天市場」の注文品をドローンで配送するのがゴールだと思いますが、案外そんなシーンはすぐ目の前まで来ているのかもしれません。

KEYWORD⑤「夜間飛行」

現在、特別な許可なしでは飛ばすことができない夜間。
しかし、ドローンが活躍できそうな領域として注目されている災害救助の側面から考えると、自然災害や事故は24時間いつでも起こる可能性があり、夜間に飛べないのではその力を発揮することはできません。
そんな災害救助の領域において、ドローンを飛ばして要救助者を見つけたり、災害の状況を把握できるようなシステムがいくつか出品されていました。

夜間飛行・災害の状況を把握できるDアカデミーアライアンスの「WCAM001」

「Dアカデミーアライアンス」ブースに参考出品されていた「WCAM001」は、超高感度光学20倍ズームと遠赤外線高画素カメラを装備した災害レスキューカメラで、24時間被災地の捜索が可能とのこと。DJI「Matrice600Pro」や純国産のドローンにも搭載でき、夜間の救助活動などでその力を発揮しそうです。

強力なLEDを装備したDJI「Matrice600Pro」が登場

また、「DJI JAPAN」ブースにも10灯130,000ルーメンの強力なLEDを装備したDJI「Matrice600Pro」が登場。
こちらは株式会社アマナビ製のもので、夜間の警備や災害時の偵察、救助目的で開発されたものとのこと。
今後は夜間の災害救助時にドローンが活躍することで1人でも多くの救助者を助け出せるようになるのではないでしょうか。
このように現在の産業用ドローンのトレンドを多く見ることができた「JapanDrone2018」。
世界に対して遅れてしまっていると言われている日本の産業用ドローン業界ですが、ここからの巻き返しから目が離せないですね。

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