ドローンの小型化:産業用ドローン最新トレンドウォッチャーVol.24

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月に一度、キーワードを元に最新の産業用ドローンのトレンドを追いかけていく本企画。第24回のテーマは「ドローンの小型化」です。ドローンが世に出てから数年。最近では非常にコンパクトとながら高い性能や多くの機能を有した機体が多く登場するようになりました。ドローンにおいて小型化のメリットはどういったところにあるのか。今回はこの部分について紹介していきたいと思います。

進むドローンの小型化

2012~2013年頃、ドローンはマルチコプターという名前で、一般の人でも入手して飛ばせるようになりました。ただ、その頃はまだパーツごとに購入して自分で組み立てるような時代で、今のようにすべてがワンパッケージになってはいませんでした。

この頃の機体は、まだパーツごとにサイズが大きく、機体も大きなものしかありませんでした。特に機体を安定させるフライトコントローラーがあまりコンパクトでなく、性能も低かったため、安定性を出すために相対的に機体を大きくするしかありませんでした。

また、空撮をする際も今のようにドローン専用のカメラやアクションカメラではなく、コンデジや一眼レフを搭載しており重量もあったので、ペイロードが大きい機体=モーターやリポバッテリーにパワーのある機体が求められ、必然的に機体サイズが大きくなってしまいました。

しかし、DJIがフライトコントローラーではなく、機体やプロポ、カメラジンバル等もワンパッケージにした「PHANTOM」をリリースしたことで流れが大きく変わります。コンシューマー向けの空撮ドローンはよりコンパクトながら、長時間飛行が可能で、安定性も高く、さらに高性能なカメラをジンバルに搭載しているような機体が求められるようになりました。

小型ドローンの代名詞DJI「Mavic」シリーズ

それらの要素を満たすべく開発されたのがDJIの「Mavic Pro」です。この機体は4本のアームを折りたたむことで機体を500mlのペットボトルと同じくらいのサイズまで小さくすることができる画期的な機体で、さらにカメラジンバルを搭載し高画質の撮影が可能、そしてある程度の強風にも耐えうる飛行性能を持つなど、ドローンの歴史において画期的な機体として人気を博しました。

その後、「Mavic」は「Mavic Air」「Mavic2」、さらに産業向けとして「Mavic2 Enterprise」「Mavic2 Enterprise Dual」とラインナップを拡充させていきます。最新作の「Mavic2」では全方向衝突防止センサーや4K画質での撮影など、従来の空撮ドローンのさらに上をいく機能を、折りたたんだ際のサイズが214×91×84 mm、重量907gというコンパクトな機体に備えており、DJIの小型化の技術は計り知れないがあります。

そして、2019年には小型化の究極ともいえる機体「Mavic Mini」も登場しました。

この機体は、日本の航空法の規制対象外となる199gという軽量な仕上がりとなっており、機体サイズも折りたたんだ際のサイズで140×82×57 mmと、手のひらに乗るようなコンパクトさとなっています。それでも1/2.3インチCMOSセンサーを搭載したカメラは静止画で12MP、動画では2.7K2720×1530 25/30 pの高画質で撮影できるなど、一昔前の本格的な大型機と同様以上の性能を持っています。この「Mavic Mini」は、現時点で到達できる小型化の頂点ということができるでしょう。

小型化のメリットとデメリット

ドローンは機体そのものを小型化することで多くのメリットがあります。まず、小型で軽量なことで飛行の効率が上がり、結果的に飛行時間を伸ばすことができます。また、コンパクトな機体サイズだと持ち運びに便利で、どこへでも携帯できるというメリットがあります。さらに、万が一墜落した際も自重が軽いため大きな事故になりにくいという考えもあります。他にも「Mavic Mini」のように法的な規制を受けずに自由に飛ばせる(当然、安全は十分に守らなくてはいけない)ことができる可能性があります。

一方、デメリットもあります。まず、小型で軽量だと外乱に弱く、風が強い日に安定した飛行が難しいという点です。また、軽量になれば燃費はよくなりますが、軽量にするためにはリポバッテリーも小さい容量にしなくてはいけませんので、飛行時間が逆に短くなる場合もあります。また、パワーがあまりないのでオプションパーツや後から何かアイテムを取り付けて飛ばすことができない恐れがあります。

まとめ

今回はドローンの小型化について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?ドローンは今後、大型機と小型機に二極化されていくことが予想されます。用途や利用シーンに応じて、大型機、小型機が選択され、中型の機体はあまり見なくなっていくのではないかと思います。今後、小型で超高性能な機体が次々と登場することでしょうから、今から楽しみですね。

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