測量現場を大きく変革するRTK搭載ドローン

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ドローンを活用した測量が大きな注目を集める昨今。

日本においてもさまざまな場所でドローンを使って測量データを取得するシーンが増えてきました。

一方で需要が高まるに連れて、測量の精度もより正確なものが求められるようになっているのも事実で、これに対応したさまざまなシステムや機体が登場しています。

そんな中、最近ではRTK(リアルタイムキネマティック)と呼ばれる方式に対応したシステムを機体に搭載したドローンが登場するようになり、従来よりもさらに高精度なネットワーク型RTK測量ができるようになってきました。

今回はこの分野について紹介していきたいと思います。

国土地理院Webサイトより引用:http://www.gsi.go.jp/common/000080891.pdf

RTK搭載ドローンとは

日本では国土交通省が推進するi-Constructionのもと、ICT建機を使った土木施工が始まっており、その一環として3D測量データを取得するためにドローンを使った測量をおこなうシーンが増えています。

従来、人間が地上からおこなっていた測量と比較して、時間とコストが大幅に削減でき、生産性の向上に貢献ことが期待されています。

ドローンが取得するデータは施工のすべての元データとなるため、非常に精緻でなければなりません。

しかし、上空を飛行しながら空撮をおこない地上のデータを取得するとなると、ドローンそのものがいる場所をきちんと把握できなければなりません。

ドローンはこれまでアメリカのGPSやロシアのグロナスといったGNSS(全球測位衛生システム)を頼りに、自己位置の把握をおこない自動航行を実現してきました。

しかし、GNSSはさまざまな影響でズレが生じたり、山間部や都心部では山や建造物の影響で電波を受信しづらい場所があるなど、ドローンを測量利用をする際に課題となっていた部分もありました。

そこで測量精度の向上に期待されているのがRTKシステムを搭載したドローンです。

従来、ドローンはGNSSの電波を常に受信することで自己の位置を把握していましたが、RTK搭載の機体はさらに飛行場所の周辺にある電子基準点からの補正情報を組み合わせて、ドローン自身(移動局)の位置をcm単位でリアルタイムに決定することができるのです。

これにより的確な位置での測量を実現し、さらに測量現場に基地局を設けなくてよくコストと時間の削減にもつながります。

これまで測量士が機材を持って移動しながら移動局として測量していたものが、そのままドローンに置き換わることになります。

DJIが提供するRTK搭載ドローンの特徴

DJIは産業用機「MATRICE600」に搭載できるオプションパーツとして「D-RTK」というモジュールをリリース。

その後、RTKシステム自体を機体に内蔵した「Matrice210 RTK」「PHANTOM4 RTK」そして2019年には「MATRICE210 V2」を発表しました。

これらの機体の登場により、前述した通り自己位置の把握がcm単位でできるようになっただけでなく、高度の維持にも絶大な効力を発揮し、結果的に安全で確実な測量が可能となりました。

DJIのRTKモジュール内蔵型ドローンの特徴は、cm単位の測位データを絶えずリアルタイムに提供し、画像メタデータとしての絶対的な精度を向上させている点にあります。

さらにDNSSモジュールと組み合わせることで、GNSSの電波を受信することが難しいシチュエーションでも、しっかりとした飛行安定性を実現できている点にあるでしょう。

また、DJIのRTKモジュール内蔵型ドローンにはTimeSyncシステムが搭載されています。

これはフライトコントローラーとカメラ、RTKモジュールを常に調整することで、どこでどのように撮影されたのかデータを蓄積することができ、それぞれの写真に極めて正確なメタデータを付与し、測位データをCMOSの中心に固定することで写真測量方式の結果を最適化し、画像にcmレベルの測位データを実現します。

さらに、DJIは「D-RTK2モバイルステーション」という主要なGNSSに対応した高精度を誇るGNSSレシーバーも開発。

ドローンに対してリアルタイムに補正データを送ることで、周囲に障害物があるような場所でもcm単位での測位精度を実現するなど、あらゆる環境下でも測量が可能な環境を提供しています。

RTK搭載のDJIドローンを紹介

それではここからはRTKシステムを内蔵したDJIのドローンを紹介していきたいと思います。

MATRICE210 RTK V2

「MATRICE210 RTK V2」は2019年2月に発表されたばかりの最新機種です。

「V2」になり、「OcuSync2.0」伝送システムや「TimeSync」「ディスクリートモード」など、産業用ドローンとしてますます充実した装備を誇るようになりました。

また、実機の情報をオペレーターにリアルタイムに伝える「DJI AirSense」や「3方向の障害物回避」を搭載するなど、安全面でもさらに充実が図られています。

もちろん「D-RTKモバイルステーション」にも対応

さらにさまざまなDJIカメラを搭載することができますので、多くのシーンで活躍できる汎用的なプラットフォームとなっています。

PHANTOM4 RTK

「PHANTOM4 RTK」は、あの名機「PHANTOM4 Pro」にRTKシステムを内蔵した機体で、扱いやすさと多機能さが売りの産業用ドローンです。

低高度から測量をおこなうのに必要な機能が詰め込まれており、1インチCMOSセンサー搭載の高性能カメラとDJIが提供する「GS RTK」アプリによって、効率よく測量をおこなうことができます。

機体自体は信頼性の高い「PHANTOM4 Pro」がベースとなっており、その操縦のしやすさや、「OcuSync」伝送システムによる安定性の良い映像伝送、「D-RTK2モバイルステーション」との連携による場所を問わない運用体制の確立と、しっかりと現場で活躍できる機体となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ドローンを使った測量は今後ますます多くなっていくことが予想されており、求められていく精度もさらに高いものになっていくでしょう。

一昔前では考えられなかったドローン自体にRTKを搭載してしまい移動局として測量をおこなうというアイデアは、今後の3D測量においてスタンダードなものとなっていくことでしょう。

今後も、新しいテクノロジーや機体の登場に期待したいですね。

 

 

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