既に多くの領域で活躍を始めている産業用ドローンですが、その活用方法は時間が経つにつれますます広がっていくばかり。
空撮から始まったビジネス領域も、今ではインフラの点検や農薬散布、災害救助、測量や物資の輸送まで、非常に多岐に渡っており、さまざまな分野でドローンの活躍が期待されています。
その一方で、「え、そんなドローンの使い方もあるのか!」と驚きを隠しえない奇想天外とも言えるドローンの活用方法も存在します。
そのアイデアには脱帽を禁じ得ないドローンの使い方は、今後のマーケット次第では注目を浴びてくるものも多くあります。
そこで今回は、そんなドローンのユニークなドローンの活用方法を見ていきたいと思います。
ポール型打音検査機搭載の点検ドローン
インフラの点検にドローンが活用され始めているのは皆さんご存知だと思いますが、その中でもユニークなのが、NECが開発している「ポール型打音検査機」です。
この機体は、機首部分に搭載されたポール型打音検査機を使って、トンネルや橋梁の特に高い部分について打音点検用のハンマーと集音マイク、さらにドローンのカメラを使って点検をおこなうことができる設計となっています。
このドローンが収集したデータは、リアルタイムで地上の端末に伝送され、画像データだけでなく、音響データも使ってインフラの状況を確認できます。
また、ドローンの自己位置の確認については、レーザーを使ってトンネルや橋梁の形状を測定し、自己位置を推定する機能が搭載されているとのことで、上部の天板や床板があっても安全に飛行をすることができるとのこと。
これまで、高所の点検は人間が危険を犯しておこなっていたこともあり、これに変わるものとして、期待が集まっています。
構造物への吹付けドローン
高所にある構造物に補修材や塗料、水などを散布したい場合、これまでは人間の手が届くように上からゴンドラを吊り下げたり、櫓を組んで登っていったりしていました。
しかし、ともにコストと時間がかかりますし、事故のリスクも高いものでした。
そこで注目されているのが構造物への吹付けドローンです。
西武建設が開発しているこの機体は、機体前方に付いたノズルから補修材や水などを噴射できるようになっており、さらに機体と構造物の距離を一定に保つように、ライダーを使って距離の情報をオペレーターに伝えることで、仕上がりの質を保てるようになっている。
試作機のベースはエンルートの機体となっており、本体下に補修材などを入れるタンクを搭載。
さらに機首前方のノズルに噴射装置が付いており、壁に向かってさまざまな液体などを噴射することができます。
高度を意地しながらのホバリングが得意なドローンの特性をうまく活用したユニークなアイデアではないでしょうか。
ドローンを使ったオフィス内巡回システム
ビルメンテナンス大手の大成とNTT東日本千葉支社、そしてブルーイノベーションが共同で開発した、ドローンを使ったオフィス内巡回システム「T-FREND」。
屋内で完全自律で飛行できるドローンを使ってオフィス内を巡回飛行し、オフィス内の就業状況を撮影監視し、社員の健康を管理するため残業抑制のソリューションとして開発されました。
この「T-FREND」が巡回飛行して撮影したデータは、クラウド上のサーバーに格納され、規定時間を超過した深夜残業の抑制やオフィスのセキュリティ管理にも貢献できるとのことです。
ドローンが自動で飛んできて、早く退社しろと促されるとはまるで近未来のオフィスのようですが、この「T-FREND」ではそんなシーンが早くも実現してしまいます。
我々が描いていた未来は、実はもう現実になっていると気づかされるような新サービスではないでしょうか。
まとめ
ユニークなアイデアの産業用ドローン、いかがでしたでしょうか。
このようにドローンの可能性はまだまだ未知なるものがあり、ドローンに採用されているテクノロジーの発展と、アイデア次第ではさらに便利で人間がリスクを犯さなくてもドローンが代わりにやってくれるようなサービスが増えていくはずです。
そういった意味で、このような一見奇抜に見るアイデアも、それを形にしていくことが重要だと思います。
ドローンの本領発揮はまだまだこれからではないでしょうか。
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