月に一度、キーワードを元に最新の産業用ドローンのトレンドを追いかけていく本企画。
第10回目は「進化を続けるトイドローンの世界」について紹介していきたいと思います。
Contents
進化を続けるトイドローンの世界
ドローンの中でも、小型で飛ばす場所を選ばず、誰でも簡単に飛ばす愉しむを味わえるトイドローン。
最近では非常に安価ながら空撮やさまざまな機能を搭載した高性能な小型ドローンが多く登場し、活況を呈しています。
最近ではその進化も素晴らしく、次々と新しいトイドローンが登場している状況です。
そこで今回はそんなトイドローンの進化について見ていきたいと思います。
トイドローンとは?
トイドローンに明確な定義はありませんが一般的に「飛行重量が200g以下で、手のひらに乗るくらいのコンパクトサイズかつ金額が3万円以下くらい」のものとイメージしていただくのがいいでしょう。
飛行重量が200gというのは航空法の対象外ということになりますので、周囲の安全に気をつければどこでも飛ばすことができます(モラルとマナーには十分ご注意ください)。
これより大きかったり、金額が高くなると本格的な空撮用ドローンになってきます。
イメージとしてはDJIの「SPARK」が一番近いと思います。
「SPARK」をトイドローンと認識している人はいないと思いますので、このあたりがトイドローンと本格的な空撮ドローンの境目と思っていただければいいのではないでしょうか。
トイドローンが出始めたのは5年前くらいでしょうか。
マルチコプターと呼ばれていた中型のドローンが多く出回り始めた頃に、中国製の機体が多く輸入されるようになりました。
当時はまだ技術的に小さい機体を飛ばすのが難しく、今のようにピタっと止まる機体は少なかったのですが、それでも3軸のジャイロを搭載してそれなりの飛行が愉しめました。
進化を続けるトイドローン
そんなトイドローンですが、最近では非常に高性能化が進んでおり、よくこのコンパクトサイズの機体にこれだけの機能を詰め込むことができたものだと感心させられるものです。
●カメラ
まず一番大きく進化したのはカメラでしょう。
初期のトイドローンはカメラなしがほとんどでしたが、次に100万画素程度の小型カメラが付くようになりました。
それがテクノロジーの進化とともに次々と高性能なカメラを搭載するようになり、今ではHD1280×720対応のカメラを搭載した機体まで出てくるようになりました。
●センサー
次に搭載するセンサーの進化も見逃せません。
当初は3軸のジャイロセンサーを搭載していた機体が、6軸になったことでさらに安定感良く飛ばすことができるようになりました。
さらに、気圧センサーを搭載したことで、高度の維持だけでなく、自動離着陸までボタンひとつでできるようになりました。
離着陸は初心者には難しく感じることもありますので、このアシストは嬉しいところではないでしょうか。
●フライトモード
また、フライトモードもさまざまな機能が搭載されています。
前後左右へのフリップや飛行を開始した地点へ戻ってくるゴーホーム機能だけでなく、スマートフォン上で指でなぞったコースを飛ぶ機能や、機体がどちらを向いていても常に一定方向で操縦できるオリエンテーションモードなど、多種多様な機能を愉しむことができます。
このあたりも、初期のトイドローンには見られなかったもので、テクノロジーの進化の恩恵と言うことができるでしょう。
トイドローンを安全に愉しむコツ
このようにさまざまな機能が付いた現在のトイドローンを安全に愉しむためのコツはどういったところにあるでしょうか。
●周囲の安全
まずは飛行前に周囲の安全に十分注意することが大切です。
トイドローンですと、屋外だけでなく屋内でも飛ばすことができるミニマムサイズの機体も多くありますが、自宅内ですと飛行する上で危険な障害物が多くあります。
壁や家具を傷つけないように、しっかりとプロペラガードを付けておくことをオススメします。
●風の確認
一方、屋外では風に注意する必要があります。
いくら安定感の良い最近のトイドローンとはいえ、軽量なので風には弱く、強めに風が吹くとあっという間に流されていってしまい機体がロストしてしまいます。
無風時は問題ないですが、機体のサイズによっては微風時でも無理して飛ばさないほうが賢明です。
●バッテリー残量
また、トイドローンはそのサイズゆえにリポバッテリーも小容量のものになってしまいます。
そのため飛行時間も短めです。
機体がややパワーダウンしてきたらもうバッテリー容量がなくなっている証拠ですので、すぐに降ろすようにしましょう。
リポバッテリーは最後まで使い切ると壊れる危険性がありますので、バッテリー残量に余裕を持った飛行をするようにしましょう。
●機体の確認
トイドローンは自重がないため墜落しても壊れにくく、意外とタフです。
しかし、プロペラが欠けている場合はすぐに取り替えるようにしましょう。
最近のセットには予備のプロペラが付いている場合も多いので、欠けたプロペラはすぐに交換するようにしましょう。
まとめ
トイドローンはリーズナブルながら手軽に飛ばす愉しむを味わうことができるのが特徴です。
スマートフォンにインストールしたアプリを介して、FPVフライト(一人称視点でのフライト)も愉しめるものも多く、屋内でも飛ばせるのでいつでも手軽にフライトが可能です。
かわいい機体を自由自在に操って、ストレス発散や気分転換をするのも良し。
高スペックのカメラを搭載した機体で美しい空撮映像を撮影するも良し。
これからもトイドローンの進化から目が離せません。
新着記事
- ドローン用アプリ | 分かってそうで分かっていない!?ドローン用語の基礎知識⑭ (2020年08月29日)
- 次代を担うドローンオペレーターを育成!隆盛を極めるドローンスクール! (2020年08月28日)
- 鳥獣対策:産業用ドローン最新トレンドウォッチャーVol.28 (2020年08月22日)
- 産業用ドローンの新しいスタンダード!DJI「Matrice300 RTK」の可能性 (2020年08月16日)
- トイドローンから本格的な空撮ドローンへステップアップ! (2020年08月09日)