DJIの産業用ドローン|産業用ドローン最新トレンドウォッチャーVol.16

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月に一度、キーワードを元に最新の産業用ドローンのトレンドを追いかけていく本企画。
第16回は「DJIの産業用ドローン」

ドローンメーカーとして世界トップシェアを誇るDJIですが、一般用の機体では大きくリードするだけでなく、ここに来て産業用ドローンに関しても非常に注力しており、さまざまな領域で活躍できるドローンをリリースしてきています。

今回はそんなDJIの産業用ドローンについて、その歴史から紐解いていくことにしたいと思います。

DJIの産業用ドローンへの進出

DJI初のドローン

DJIは、今ではすっかりドローンメーカーとして名を馳せていますが、もともとはドローンを制御するフライトコントローラーの開発から始った企業であり、さまざまなデバイスを出した後、満を持して名機「PHANTOM」で機体そのものも発売するようになりました。

そんなDJIは、これまで一般用のドローンメーカーとしてのイメージが強いと思いますが、これは仕方ないことではないかと思います。

なぜならば、DJIの「PHANTOM」といった機体が出た頃は、現在のようにビジネスシーンでドローンが活用されるとは想定されていなかったからです。

当初は空撮の性能も貧弱で、空撮でさえ産業用として使えるものではありませんでした。

しかし、テクノロジーの進化は凄まじく、ドローンの性能が向上するに連れて、その性能を活用することあらゆる領域のさまざまなシーンでドローンが活躍できるフィールドが増え、今では多くの産業でその力を発揮しています。

大型機

そんな動きに合わせDJIもさまざまなドローンを産業用として投入してくるようになりました。

その口火を切ったのが「S900」「S1000」といった大型機でしょう。

これらの機体は、大きなペイロードを持つことで一眼レフに対応する大型のジンバルを装備することができ、本格的なプロの現場で求められる空撮性能を実現した機体として当時話題になりました。

また、同時期に発売された「INSPIRE1」は、ハイアマチュアとプロの垣根をなくすかのような高性能な機体で、これらのDJIの機体によって、空撮がひとつのビジネスとして確立されるようになったのです。

DJIの産業用ドローンの進化

産業用プラットフォーム

次にDJIの産業用ドローンとして注目を集めたのが「MATRICE」シリーズです。

このシリーズは、産業用プラットフォームとしての位置づけが強く、さまざまなシーンに特化した機体を開発するための開発者用プラットフォームである「MATRICE100」や、「S1000」などを進化させた空撮用の大型機「MATRICE600」など、これらの機体をベースにさまざまなオプションを追加し、用途に特化した機体に仕上げていくことができるようになっています。

DJIが最初から用途を絞って機体開発するのではなく、DJIの機体をプラットフォームとして、世界中のプレイヤーが、特化した機体を開発していく。

まさに、どこでどんな使われ方をされるかわからない、現在の産業用ドローンの可能性に合わせた方向性を、DJIは「MATRICE」シリーズで見せてくれているのではないでしょうか。

この「MATRICE」シリーズは、現在では「MATRICE200 V2」シリーズが最新ラインナップとなっており、最先端の産業用ドローンプラットフォームとして、世界中で多くの開発者がこのプラットフォームを使って、オリジナルの1機を開発し続けています。

農薬散布用ドローン

一方で、DJは特定のシーンに特化した機体の開発もおこなっています。

例えば、農薬散布用ドローンである「AGRAS MG-1」

農業の中でも農薬散布用は従来の大型ラジコンヘリコプターに置き換わりドローンの活用が機体されている領域ですが、ここの特化した機体を投入し、マーケットを支配しようとしています。

この「AGRAS MG-1」は、単に大量の農薬を搭載して散布ができるというだけでなく、DJIがそれまで培ってきた機体制御技術と、ミリ波センサーを使った地上と機体との距離を常に一定に保つ機能など、DJIならではのテクノロジーをふんだんに取り込んだ機体となっています。

最新のDJI産業用ドローン

 

そして、2018年にDJIは産業用ドローンに関して新しい動きを取るようになります。

それは、一般用に開発した機体をベースに産業用ドローンに仕立てる機体を連続でリリースするようになったことです。

PHANTOM4ベース

まず、最初にリリースしたのは測量用に特化した「PHANTOM4 RTK」です。

その名の通り、ベースとなっているのはベストセラー機「PHANTOM4」で、その機体にRTKユニットを搭載し、cm単位で自己位置を検出しながら測量用の撮影をおこなうことができる機体となっています。

MAVIC2ベース

次に、登場したのが「MAVIC2 Enterprise」です。

こちらは最新の折りたたみ式小型ドローン「MAVIC2」をベースにした産業用ドローンで、機体の上部にさまざまなアクセサリーを付けることで、用途に応じた機体に仕上げることができ、産業用ドローンながら小型で携帯性が高いという、これまでの機体にはなかったメリットを持っています。

この「MAVIC2 Enterprise」は、その後に、ビジュアルカメラと赤外線カメラをひとつのユニットにした「MAVIC2 Enterprise Dual」も登場するなど、その活躍の範囲を広げています。

これらの動きは、DJIの一般用ドローンの性能が、産業用ドローンに求められるスペックと何ら変わらなくなってきたことを証明しています。

産業用ドローンはその信頼性や安全性について一般用ドローンとは比較にならないほど高いレベルを求められます。

しかし、「PHANTOM4」や「MAVIC2」はもはや産業用ドローンとしても通用する性能を持ち合わせており、これらの機体をベースにすることで、開発スピードを上げつつ、扱いやすい産業用ドローンに仕上げることができるのは、世界広しといえどDJIだけではないでしょうか。

まとめ

このように、DJIの産業用ドローンは、新しいステージに入ってきていると言っても過言ではないでしょう。

DJIは、産業用ドローンのプラットフォーム化、機体の高い安全性と信頼性、そして冗長性、そして他の追従を許さない開発スピードという3本柱で、産業用ドローンでもトップシェアを握ろうとしています。

あらゆる領域がドローンの活躍するフィールドになる可能性がある現代。

他の産業と同じように、新しいビジネスチャンスを逃さず、刈り取ることができるのは、プラットフォーマーだけ。

DJIは産業用ドローンにおいてもそんな存在になっていくことでしょう。

 

 

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