月に一度、キーワードを元に最新の産業用ドローンのトレンドを追いかけていく本企画。
第一回目は「UAV用エンジン」についてご紹介していきたいと思います。
Contents
ドローン用エンジン
バッテリーの歴史とモーターの進化
現在、ドローンといえばモーターを回転させてプロペラを回し、そこで得た浮力で飛行するものが一般的です。
そのモーターを回す動力源として活用されているのがリチウムポリマーバッテリー、通称リポバッテリーです。
現在のいわゆる「ドローン」では当初から使われているリポバッテリーですが、趣味の世界であるラジコン飛行機などでも多くの機体がリポバッテリーを使用しています。
しかし、最初からそうだったのかというと答えは「No」です。
リポバッテリーが多く使われるようになったのは2000年代になってから。
それまではラジコン飛行機は模型用エンジンを搭載して飛ばすものがほとんどでした。
当時もモーターで飛ばす機体もあったのですが、リポバッテリーではなく、重くてパンチのないニッカドバッテリーやニッケル水素バッテリーが使われており、満足な飛行ができず、模型用エンジンを搭載した機体が圧倒的に多かったのです。
しかし、リポバッテリーが登場し、モーターも進化したことで「電動機」と呼ばれる機体が多く登場し、ラジコン飛行機やラジコンヘリコプターはモーターとバッテリーの組み合わせで飛ばすのが当たり前となりました。
その流れに従ってドローンも現在の形になりました。
注目されるUAV用エンジンとガソリンエンジンのメリット
現在再び模型用のエンジン、つまりドローンに搭載するUAV用のエンジンが脚光を浴びるようになりました。
特に産業用途においては、モーターとリポバッテリーの弱点をカバーできるものとして注目を集めています。
UAV(ドローン)用のエンジンはそのほとんどがガソリンエンジンです。
ガソリンエンジンのメリットは何よりも燃費が良く、僅かな燃料で長時間の飛行が可能です。
ビジネスシーンにおけるドローンの活用で最も問題となるのがその飛行時間でした。
飛行時間を長くするためにはリポバッテリーの容量を大きくする必要がありますが、そうなると機体全体が重くなってしまいます。
しかし、ガソリンエンジンならばリポバッテリーと比較にならないほど長時間の飛行が可能です。
また、ガソリンは世界各地で手軽に調達できるのも魅力のひとつでしょう。
ガソリンエンジンのデメリット
もちろんデメリットもあります。
まずはモーターと比較して振動が大きいこと。
振動は機体にさまざまな影響を及ぼすだけでなく、フライトコントローラーの正確性を損なう恐れがあるとされています。
また、モーターでは起こりにくいエンストの心配もあります。
その日の気温や高度などによって微妙な調整が必要な点もモーターと比べるとデメリットかもしれません。
ハイブリッドパワーユニットの展開
最近では海外の展示会において、モーターとエンジンを組み合わせたハイブリッドパワーユニットを見かける機会も出てきました。
まるで自動車のハイブリッドカーのように、両者の良い部分を組み合わせることで、今後のドローンの主流になっていく可能性もあります。
UAV用エンジンは今後も目が離せないキーワードのひとつではないでしょうか。
おすすめ記事
●トレンドウォッチャーシリーズ
毎月、キーワードを元に産業用ドローンのトレンドを配信しています。
最新情報はこちらでチェックしてみてください。
新着記事
- ドローン用アプリ | 分かってそうで分かっていない!?ドローン用語の基礎知識⑭ (2020年08月29日)
- 次代を担うドローンオペレーターを育成!隆盛を極めるドローンスクール! (2020年08月28日)
- 鳥獣対策:産業用ドローン最新トレンドウォッチャーVol.28 (2020年08月22日)
- 産業用ドローンの新しいスタンダード!DJI「Matrice300 RTK」の可能性 (2020年08月16日)
- トイドローンから本格的な空撮ドローンへステップアップ! (2020年08月09日)