ドローンの小型化|産業用ドローン最新トレンドウォッチャーVol.20

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

月に一度、キーワードを元に最新の産業用ドローンのトレンドを追いかけていく本企画。記念すべき20回目のテーマは「ドローンの小型化」です。ホビー用ドローンだけでなく、産業用ドローンにおいても、小型化が進むドローンの世界。テクノロジーが成熟してくると小型化が進むのはどの産業においても同じですが、その経緯とメリットについて今回は紹介していきたいと思います。

小型化が進むドローン

ドローンが一般的に認知され始めて5~6年が経過しようとしていますが、その間にさまざまなドローンが登場してきました。ドローンは常に最新のテクノロジーを搭載してきており、そのアップデートも非常に早い産業ですが、いずれの技術も最初は大型の産業ドローンに搭載されることがこれまで多くありました。

しかし、最近ではテクノロジーの進化とともに、そういったハイスペックな機能が小型のドローンにも搭載されるようになり、小型機ながら従来の大型機となんら遜色ない性能を持った機体も多く登場するようになりました。

ドローンの小型化が進むとどういったメリットがあるでしょうか?まずはなんといっても持ち運びが楽になります。大型機ですと成人男性が1人で持ち上げるのがやっと、といったサイズの機体もあります。一方でアームを折り畳めるDJI「Mavic2」のような機体は折りたたんでコンパクトなサイズにすることができるので、カバンやバックパックの中に入れて持ち運ぶことができます。運用を考えた時に、取り扱いやすいサイズなことは非常に大きなメリットといえるでしょう。

また、機体自体が軽いのでリポバッテリーの容量との兼ね合いもありますが、大きなサイズの機体よりも飛行時間を長くできる可能性があります。飛行時間が長いということはそれだけ現場でドローンが活躍できることになります。燃費は産業用ドローンの世界では非常に重要な要素となっており、こういった面からもメリットがあります。

小型化のデメリットも?

一方で、小型化するとデメリットもあります。まず、パワフルなモーターと大きなローターが取り付けることができなく、自重が軽くなるので風に弱くなってしまう傾向があります。最近ではフライトコントローラーやさまざまなセンサーで機体を安定させる技術が大きく進化していますので、従来と比べるとかなり安定するようになりましたが、ホバリング時の座りの良さなどはやはり大型機には敵いません。そのため、定点保持できる風速は、小型機のほうが小さくなります。

また、小型機ですとペイロードが小さくなりますので重いものを搭載できなくなります。これに最も影響を受けるのがリポバッテリーです。先ほど小型機は自重が軽いので飛行時間を長くできる、と書きましたが、一方でその限界もあり、自らが持ち上げられるまでの容量のリポバッテリーしか搭載できません。重いリポバッテリーを搭載してしまうと、自らを持ち上げるために多大なパワーを使うこととなり、結局飛行時間は短くなってしまいます。飛行時間は機体の重量とペイロード、そして搭載できるリポバッテリーの容量によって最適な回答を求める必要があるのです。

さらに重いものが搭載できないというのは、産業用ドローンでは大きなデメリットになることもあります。それは大きなサイズの装備が取り付けられないからです。最近ではドローンは空撮をするだけでなく、上空からビッグデータを取得するためのソリューションへと進化しました。測量をするためにレーザースキャナーを搭載したり、高画質な撮影をするために大きな一眼レフを搭載したり、圃場に農薬を散布するためにタンクを搭載したりしますが、こういったシーンで活躍するドローンはすべて中型から大型機となります。こういったところは小型機では(今のところ)不可能で、小型機の出番ではない領域となります。

最近のドローンはプラットフォームにさまざまな装備を取り付けて、特定の領域に特化した機体が主流となっています。すべて大型機、すべて小型機・・・ではなく、大型機、小型機それぞれの特徴を生かした運用が必要となってきています。

こんな技術も搭載されている最新の小型ドローン

最近では小型のドローンにも信じられないほど高い性能を持ったものが出てきており、その進化には驚かされるばかりだ。以前は大型機専門の性能だったものが、現在では小型機でも当たり前に搭載されているものもあり、テクノロジーの進化を感じる瞬間でもあります。

最近ではDJIの小型ドローン「Mavic2 Pro」に、1インチCMOSセンサーを搭載したハイスペックカメラが搭載されているだけでなく、200g以下の超小型ドローンである「Mavic Mini」には驚きの3軸ジンバルが搭載され、ブレのない美しい空撮を実現しています。

さらに、小型機でもGPSによる機体制御は当たり前になってきているほか、前後、左右、上下についても衝突回避用のセンサーが搭載されるなど、安全面への配慮も次々と整備されています。

このように最近では小型機であっても、テクノロジーの進化によって大型機同様の高性能な装備を有しており、むしろ燃費や携帯性で有利な立場にいます。今後もドローンのミニマム化は続いていくものと予想され、小型ながら非常に性能の高いドローンが活躍していくことでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。