新しい領域に広がるドローンの活用産業用|産業用ドローン最新トレンドウォッチャーVol.9

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月に一度、キーワードを元に最新の産業用ドローンのトレンドを追いかけていく本企画。
第9回目は「新領域に広がるドローンの活用」について紹介していきたいと思います。

新領域に広がるドローンの活用

現在、さまざまな領域でドローンの活用が模索されているのは、当サイトでも既報の通りです。

空撮に始まり、インフラの点検、災害対策、農薬散布、測量など、ドローンが活躍するシーンは日に日に多くなってきています。

さらに最近はドローンを使ったユニークな活用方法や、次世代の取り組みの中でドローンを活用しようとしている動きが多く報じられています。

そこで今回は、新しい領域に広がるドローンの活用を見ていきたいと思います。

物資の運送

楽天は自社のドローンを使ってコンビニの唐揚げなどを消費者の手元まで届ける実験を繰り返しおこなっている。

先日、日本郵便が郵便物の配送にドローンを使用するという発表されたのは記憶に新しいところだと思います。

2つの郵便局間で郵便物やチラシの運送にドローンを使い、実用的かどうか検証していくということで注目が集まっています。

こういった実証実験が可能になったのは、政府が9月にドローンに関するガイドラインを見直し、操縦者が常に目視していなくてもカメラの搭載などで安全が確保できていれば良くなったことを受けて、実現したものです。

こういった規制緩和によって、物資の運送にドローンを活用する流れはますます加速していくことでしょう。

その例として挙げられるのが、当ブログでも紹介したことのあるドローンハイウェイ構想です。

東京電力とゼンリンが構想しているこのプロジェクトでは、ドローンを東京電力の送電線網に沿って飛ばすのですが、2018年におこなわれた実証実験では、楽天の機体を使い、目的地まで無事に物資を届けることに成功しました。

また、その楽天は南相馬市で、コンビニの製品を消費者の元まで届ける実験を繰り返しており、まさにドローンを使った物資の運送は夜明け前といった雰囲気になってきました。

ドローン活用を模索している領域としては最も注目の高いものであり、今後もさまざまなニュースが飛び込んでくることでしょう。

海洋ゴミの調査

五島市の発表資料より。離島が多く存在する五島市では、海洋ゴミへの対策が急務となっており、この問題にドローンを活用しようとしている。

2018年11月、長崎県五島市がドローンによる海洋ゴミ調査事業を請け負ってくれる企業を全国から公募するという発表が話題を呼びました。

この公募の主な業務内容としては、海岸漂着ゴミや再漂流ゴミに関するデータの項目整理及び効果的活用法の仮説の作成・または必要に応じたサンプルデータの取得。

また、これらのデータ収集は、一部または全部をドローンを活用しておこない、AI開発用データとする、とされています。

こちらは内閣府の地方創生推進交付金の対象事業である「ドローンi-Landプロジェクト」の一環としておこなわれるもので、多くの離島を市域に持つ五島市を悩ませている海岸に漂着する海洋ゴミの実態把握にドローンを活用し、今後の対策を検討するための基礎データとするというものです。

このように、その地域ならではの問題に対して、これまで費用面含めなかなか着手できなかった調査を、ドローンを使うことで効率的かつ経済的にできることになり、問題解決への一歩となることは、ドローンの有益性を強く示すものとして注目が集まります。

先端農業

IIJと住友商事の業務提携発表資料より。なり手の減少と大区画化が進む農業分野において、先端農業は今後ますます必要となってくる取り組みである。

農業におけるドローンの活用は農薬散布のイメージが強いですが、むしろ注目されているのはドローンやICT技術を活用した先端農業の方かもしれません。

2018年10月末にIIJと住友商事が発表した業務提携では、農作業の効率化やノウハウの可視化を実現するために、ドローンや地上に設置したセンサー、そしてICT農機を使い、圃場のさまざまなデータを収集し、クラウドに集約することで農作業の省力化、軽労化、高品質生産を目指すとされています。

ドローンは、農業に限らず、上空からさまざまなデータを取得するためのソリューションとしても注目されていますが、農業の場合でも、水管理データや生育データ、土壌データ、収穫データ等を集めることで、農業就業人口の減少による生産技術やノウハウの断絶を防ぎ、耕地の集約や大区画化に対応することができるとされています。

ICT技術を使った改革は既に土工分野でi-Constructionとして取り組みがスタートしていますが、農業分野においても、今後ますますの取り組みの推進が見込まれ、圃場の上をドローンが飛行するシーンも多く見ることになるでしょう。

まとめ

ドローンはそれひとつで役割を果たすのではなく、大きな取り組みの中の重要な役割を担うソリューションとして、ますます存在感を発揮していくことだろう。

今回は「物資の運送」「海洋ゴミの調査」「先端農業」というまったく異なった3つの領域を紹介しましたが、それぞれドローンの特徴である「人の近づけないところへ行く」「上空からデータを取得する」といった部分をうまく活用している印象があります。

テクノロジーの進化とともに、ドローンの役割も変化してきており、これまでのように「飛ぶ」「撮影する」といったところから、「これまでできなかったデータを収集する」「既存のソリューションの置き換えをおこなって効率性を上げる」といった、大きな取り組みのコアとなる部分を任されるようになってきました。

今後もドローンの活躍の場は広がる一方と思われ、次にどのようなアイデアが出てくるのか、今から楽しみでなりません。

 

 

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